リカバリー・ピアサポート・地域密着の三本柱
名古屋市西区を拠点とする一般社団法人しんでは、精神障害や発達障害のある方々の地域生活を応援するため、リカバリー志向・ピアサポート・地域密着を三本柱とした支援を展開しています。症状の除去や問題点の改善を目標とするのではなく、どのような人生を送りたいかという本人の価値に基づいた支援を大切にしています。精神保健福祉士、社会福祉士、臨床心理士、看護師、ピアスタッフなど多彩な専門スタッフがチーム体制で一人ひとりの価値観や人生観に寄り添います。
2012年の設立以来、地域で暮らしたい、誰かと話がしたい、働きたいといった当たり前の願いを実現できるように、制度やサービスにとらわれないサポートを提供してきました。ご本人が自らの人生に希望を取り戻し、人生の主人公として主体的に取り組んでいけるよう、治療者や支援者、家族と協力しつつも、本人が自らの力で未来を描けるように応援しています。
フォーマルとインフォーマルを組み合わせた多様なサービス
一般社団法人しんが提供する公的サービスには、日中活動の場である地域活動支援センター「じょうしん」「とびら」、自立に向けた準備を行う地域自立支援センター「みち」、就労の練習の場となる「かかぽ」「とびらぼ」、適切な福祉サービスをご案内する相談支援事業所「ねっと」「げんてん」があります。それぞれが名古屋市指定事業として、生活訓練や就労継続支援B型など専門的な支援を実施しています。
公的サービスには硬さや冷たさが伴いやすいという課題を補うため、インフォーマルサービスも積極的に展開しています。メンタルヘルスやリカバリーについて学ぶ場となるリカバリーカレッジ名古屋、家族同士の支え合いと学び合いの場となる家族会、地域の方とボランティア活動に挑戦する夢叶、週1回1時間からの一般就労であるちょこジョブ、地域課題について対等に対話をする地域円卓会議など、医療や福祉では支えきれない部分を地域の力で補完しています。
超職種連携による柔軟なチーム支援
一般社団法人しんでは、従来の多職種連携ではなく超職種連携を目指しています。従来の多職種チームでは各専門職が決められた専門領域の役割を担い、分業的に支援を行うことが一般的でした。これに対して超職種チームでは、ご本人の困りごとや希望が中心にあり、職種の枠を越えてチーム全体で考えます。これは誰の仕事かではなく、この人の暮らしのために今何ができるかを出発点に据えています。
日々の対話の中でアイデアを出し合い、ご本人にフィードバックしながら自己決定を応援していくスタイルを採用しています。専門性は大切にしながらも、それに縛られすぎず、ご本人がチームの中心となる支援を実践しています。チームで学び合いながら支援を進めることで、経験や知識を補い合い、最適な支援を提供するとともに、支援者自身の成長にもつながる環境を整えています。
ともに変化しながら受け入れる共生社会の実現
一般社団法人しんが目指すのは、排斥でもなく同化でもなく棲み分けでもない、ともに変化し受け入れていく共生社会です。精神障害をもつ方と社会との関係性を俯瞰し、多様な生き方や価値観を受け入れられる豊かな社会の実現を目指しています。人は社会という舞台で様々な役を演じており、親の役、支援者の役、患者の役、恋人の役、学生の役、労働者の役など、多くの役を演じています。
精神障害をもつ方にも、患者としての役や利用者としての役以外に、できる役はきっとあると考えています。どんな役を演じるかは本人が決めることですが、必要であれば一緒に考え、ご本人が希望する様々な役を社会で演じてもらえるように応援しています。2013年のボランティア団体夢叶設立以来、精神障害に関する意識調査や啓発映画上映会、スピーカーズビューロー、地域円卓会議など多様なインフォーマル活動を継続的に行い、地域の中で多様性を尊重し、お互いに認め合う文化を育てています。


